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素数計算関数の下限を与える式(その2)

  • 執筆者の写真: S Y
    S Y
  • 2021年8月29日
  • 読了時間: 3分

0. 参考文献

[1]https://www.chart.co.jp/subject/sugaku/suken_tsushin/91/91-4.pdf ベルトラン・チェビシェフの定理を使う 西本教善

[3]https://youtu.be/YNmRhCNvBbg ルジャンドル予想 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」

[5]http://web.tuat.ac.jp/~nagaki/zairiki/singular2007.pdf 1 特異関数を用いてたわみ曲線を求める


1.フィボナッチ数の平方数とそれに最も近いフィボナッチ数の関係

まず、フィボナッチ数を2乗してみる。(f(n)^2)

1, 4, 9, 25, 64, 169, 441,...

次に、これに最も近いフィボナッチ数(g(m))を探してみます。(1は除きます。)

3, 8, 21, 55, 144, 377,...

2つの差ε(n,m)を求めます。

1, 1, 4, 9, 25, 64, ...

すると、εは、nの関数となり、

ε=ε(n)=(f(n-2))^2

となることがわかります。

すると、g(m)もnの関数であり、

g(m)=g(n)=f(n-1)(f(n+1)-f(n-3))

となることがわかります。

さらに、注意してみると、

g(m)=f(2n-1)

となることにも気づきますね。


2. ひとつ離れたフィボナッチ数による区間[f(t), f(t+2)]に含まれる素数の下限

2.1 ベルトラン・チェビシェフの定理[1]からの推測

ベルトラン・チェビシェフの定理については、参考文献[1]で説明されています。また、以前に解説した、ある区間に存在する素数の個数の下限が、フィボナッチ数であること[2]を用います。

確率上、[f(2n-1), f(2n)]に素数は以下の個数だけありえます。

同様にして、確率上、[f(2n),f(2n+1)]に素数は以下の個数だけありえます。

以上から、確率上、[f(2n-1),f(2n+1)]に素数は以下の個数だけありえます。

ただし矢印は、隣接するフィボナッチ数の比が十分黄金比に近くなるような無限大までnを飛ばした場合です。以下便宜上、十分黄金比に近くなるような時のフィボナッチ数の番号で、最も小さいものをn_0とします。


2.2 ルジャンドル予想[3]からの推測

ルジャンドル予想については、参考文献[3]で説明されています。また、以前に解説した、n番目のフィボナッチ数f(n)を素数の個数の下限とする区間の取り方について[4]を用います。


[4]では、ルジャンドル予想が正しいとき、区間[f(n+1)^2, f(n+2)^2]には、最低でもf(n)個の素数が存在することを説明しました。


すると、もしnをn>n_0のように取った場合、区間[f(n+2)^2, f(n+3)^2]の素数の個数は、最低でも、[f(n+1)^2, f(n+2)^2]の黄金比(φ)倍ということになります。


3. x<n_0の場合の素数の個数の下限

黄金比に近似できないので、素数の存在する確率から求めるべきでしょう。

ここで、f^(-1)(x)を、xに最も近いフィボナッチ数、g^(-1)(s)を、フィボナッチ数sの番号とします。すると、g^(-1)(x)<n_0のように取った場合、xまでの素数の個数の最低値は、


となります。


4. x>=n_0の場合の素数の個数の下限

もしnをn>n_0のように取った場合、区間[f(n+k)^2, f(n+k+1)^2], (k:自然数)ごとに、素数の最低個数はφ倍していきます。f(n_0)以降の区間では、区間の個数をkとすれば、全体の素数の個数の下限は、初項を2-2φ^(-3)[※1]、公比をφとするkまでの等比級数で表せます。


[※1]1章で、フィボナッチ数からなる区間[f(2m-1),f(2m+1)]とフィボナッチ数の平方数からなる区間[f(n+1)^2, f(n+2)^2]の覆い方はほとんど同じであることを確認しましたね。


g^(-1)(x)>n_0のように取った場合、n_0からxまでの素数の個数の最低値は、

となります。


5. 特異関数

特異関数は、例えば材料力学などで活用されています。詳しくは参考文献[5]をご覧ください。

今回は、この特異関数を用いて、

関数α: xがn_0より小さい時は1を、xがn_0より小さい時は0を返す

関数β: xがn_0より小さい時は0を、xがn_0より大きい時は1を返す

2つの関数を作ります。


関数α:1-<x-n_0>^0

関数β:<x-n_0>^0

3章、4章で導出した式に対し、それぞれ関数α、関数βをかけて、足し合わせることで、任意の数xまでの素数の個数の最低値、すなわち素数計算関数π(x)[6]の下限を計算する関数となります。


6. まとめ(前回の復習)








 
 
 

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