鏡は空間の端面か?鏡に映った観測者はただの像なのか?
- S Y
- 2023年2月21日
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1.鏡についての考察
光を法線ベクトルとし、全反射を与える面を、鏡と呼ぶことにします。観測者側から光が直進し、一度反射することで、鏡像が観測者へ伝わります。このとき鏡像は、観測者と鏡の距離、および光速から導出される時間だけ、観測者より遅れた情報を返してきます。
また、鏡像はカイラル対称性を得ます。
ところで、もし鏡がある意味で空間の端であると考えたなら、どのような意味を持つでしょうか?
まず、光は電磁波であり、つまり波の性質を持ちます。波は固定端反射という性質を持ちます。もし、空間の端が鏡であるのなら、光は固定端反射されることとなります。
2次元波の場合、固定端反射は、固定端にて180度回転します。これは、反力が作用するためです。
これを行列で表すと、次のようになります。

ここで、(x,y)^Tにおいて、y軸が鏡を意味します。
3次元波の場合はどうでしょうか?

ここで、yz平面を鏡としました。
この結果から気づく面白いことは、これと、xz平面の鏡により得られる鏡像は次のような写像となることです。

2.曲率が0でない3次元鏡
スプーンを考えます。曲率が0ではありません。このような面において、特に凹面を観察することを考えます。
この凹面は、観測者側から放たれた光について、別の法線ベクトルを持つ鏡面に、さらに別の法線ベクトルを持つ鏡面に、合計3回反射されることとなります。
つまり、鏡面がyz平面の場合と、xz平面の場合、xy平面の場合の3通り考えられ、これらの積として表現されることとなります。

以上の結果から、x,y,z軸について正負が逆になった系となることがわかります。
3.観測者にとって、「自分」と、鏡像の「自分」を区別することは不可能である話
カイラル対称性の破れと呼ばれる現象が存在します。端的に言えば、ある量子のスピン方向に偏りがあるという自然界の性質によるものです。
これを用いることにより、今、観測者(自分)が鏡像対称性においてどちら側にあるのかを判定することができます。
ところが、果たして鏡に映った自分が、観測している自分の像であるか、自分自身であるかを区別することはできません。試しに、誰かと一緒に鏡の前に立ってこんなやりとりをしたとしましょう。
A「僕たちは今、鏡の前に立っているね。」
B「そうだね。僕たちにとって、右はあっちだよね」
A「間違いない。右はあっちだ。反対は左だ。」
B「そして、ある量子のスピン方向はこっちだよね。」
A「そう。右ねじと左ねじで表せる。」
以上のやりとりで、鏡のどちら側であろうと、矛盾なくやりとりをすることができます。(矛盾が生じたら、鏡の向こうの自分は、自分と異なる動きをすることとなりますね。)
仮に意地悪な誰かと類似したやりとりをしたとしましょう。
A「僕たちは今、鏡の前に立っているね。」
B「そうだね。僕たちにとって、右はあっちだよね」
A「そんなことはない。右はこっちだ。左があっちだ。」
B「そして、ある量子のスピン方向はこっちだよね。」
A「違うね。右ねじと左ねじで表せて、あっちだ。」
以上のやりとりでも、鏡のどちら側であろうと、矛盾なくやりとりをすることができます。
4.解決策
自然界で時間が経過したとき、必ず鏡面対称な世界がペアで生じるとすれば、解決できます。
つまり、鏡に映った自分は、実は紛れもない自分であり、ただしある量子のスピン方向により自分がどちら側にいるのかを判定できる、ということなのだというわけです。
5.スライムのワイセンベルク現象について
ワイセンベルク現象では、拘束力を容器から得たスライムが、回転する円柱に対して小宇宙を作り出す現象です。
この小宇宙について、円柱の回転方向とスライムの這い上がる向きは、スライムの自由表面を鏡面とした、鏡面対称となって、生じます。
この鏡面対称性を持つ小宇宙のペアこそ、観測者の世界と、鏡面対称な観測者の世界のペアであることがわかります。


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