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一般のN次双対空間におけるエントロピー行列と温度行列についての考察~サイクル論~(その3)

  • 執筆者の写真: S Y
    S Y
  • 2022年9月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年7月23日

0.参考文献

[3]「工業熱力学」第二版 齋藤孟、小泉睦男著 共立出版株式会社 発行 1985年10月10日 第二版第一刷発行

[4]巡回置換[形代数学 初歩からジョルダン標準形へ」三宅敏恒著 2008年11月25日 初版発行


1.サイクル論[1]

熱力学の世界で、温度TとエントロピーSについてのグラフ(T-S線図)なるものが存在します。この線図に基づいて、状態1→状態2→状態3→状態4→状態1→…と続くサイクルが存在します。各サイクルには研究者の名前がついています。例えば、可逆断熱系とした時、最も効率の良いのはカルノーサイクル、より一般の、相変化を伴う系についてはランキンサイクルが考えられています。特にランキンサイクルは、不可逆過程も考えられたサイクルとなっています。


一般には、2通りのサイクルが存在して、1つ目に状態1と状態2を行き来するサイクルが、2つ目に4つの状態を1→2→3→4→1…となるようなサイクルが挙げられます。前者は2サイクル機関、後者は4サイクル機関と呼ばれます。実用例として、前者はディーゼル機関、後者はガソリン機関が挙げられます。余談ですが、水素機関に近いのは、後者のガソリン機関のようです。


2.巡回置換[4]

任意の巡回置換は互換の積で表せます。

例えば、次のようにできます。

ここに、状態k_iについて、状態k_(i+1)に巡回して変化することを、巡回置換を用いて示しました。

ここに、右からk_2が入ってきたとすると、(k_2 k_1)より、k_2がk_1に変わり、これが(k_1 k_3)のためにk_1がk_3に変わり、k_3に作用する互換が存在しないのでこれで終わり。よって、k_2→k_3に変わることがわかりました。


ところで、エントロピー行列と温度行列について、次の関係にあることを前回確認しました。



以上の結果から仮に、α_1, α_2, β_1, β_2についてベクトルと捉えたとき、平行四辺形として捉えることができます。

そのため、以上の4変数α_1, α_2, β_1, β_2について、互換を用いて表せます。

それぞれ、ベクトル(平行四辺形の辺)になります。

ところで、現状は4変数として考えていますが、これを3変数(3つの置換)に変更することができることに気づきます。

3変数を用いると、温度ベクトルについて次の関係にあることがわかります。

すると、τ_2について考えることができます。

ここで、再度置換を考えることにより、2変数に変更することができます。

この時、よく考えると以下の式が成り立ってしまっています。

これは、以下のことを示しています。

例えば、平行四辺形をうまく回転することにより、菱形にすることができますが、自由度を奪うことにより、このように菱形に変形することができます。


さらに、変数を1つに変更することができます。

ただし、条件としてT=E(単位行列)となります。


例えば、菱形をうまく回転することにより(自由度を奪うことにより)、線ベクトルができます。

2章で考えたような、四角形を1和振動子の性質そのものを示していることに気づきます。


3. 超弦理論[5]

2章で考えたような、四角形を1次元の調和振動子に変換する過程を、反対に多角形に変換することを考えると、結果的にサイクルは円に変換されることがわかります。この円は、閉じた弦になります。一方、1次元の調和振動子は、開いた弦となります。

ここに、後者の一種に光子が、前者の一種に重力子があります。ですから、光子などについての理論について次元を無限大に展開することにより、説明できるだろうと予想します。


注意

E+ε, E+(t^)εの議論について訂正


 
 
 

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