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親指の反対側がどこかを考えてみる

  • 執筆者の写真: S Y
    S Y
  • 2022年3月17日
  • 読了時間: 2分

0.参考文献


1.位相幾何学について

一言で言えば、任意の次元の物体に対して、単に穴がいくつ存在するかだけで分類するものです。表面積を変えずに立体を連続変形していけば、最終的には穴の一つもない球か、穴の一つ存在するトーラスか、穴の複数存在するトーラスの連続したものに分類することが可能です。


2.ひもを用いた考え方

君はある物体の表面にいます。この物体に穴が存在するのか、しないのかを判定しようと思います。さて、どのように調べましょうか?答えは紐を使うことです。

ある方向を定めて紐を表面に置いていきます。やがてスタート地点に戻ってきます。両端を結んだ後、紐を引っ張ります。もし穴が存在しなければ全ての表面は連続しているので、紐は引き摺られながらやがて君の手元に全ての紐が戻ります。


この考え方をもう少し発展させましょう。今度は紐でとぐろを巻きます。こうして表面全体を紐で覆うようにします。するとやがて表面はほとんど紐で覆われていき、ついにある点でとぐろが巻き終わります。この点は何を表すでしょうか?


一旦、君のいるある物体が穴を一つも持たないとしましょう。そしてこの物体を連続変形させて球に変換できたとしましょう。もう一度同じようにとぐろを巻いていきます。とぐろ1周分を描けば、実はこれで球の断面、つまり円を描いたことに気づきます。そしてその中心は、球の軸を通ります。つまり、紐を2π回転させるごとに球の軸を描いたことになります。


やがて紐はある点でとぐろを巻き終わります。この点はちょうど最初の地点から最も遠い、極となります。


以上の操作は、連続変形させて球でないものに対しても同様に考えることができます。


つまり、任意の物体に対して紐を巻いて表面を覆うだけで、その物体の任意の点に対する極点を求めることができるのです。


3.親指の反対側について

君の手首までの手の粘土細工を考えてみてください。怖いですね。まず、親指に紐をつけ、まだ体に接続している方の手で回転させながら巻いていきます。やがて操作が終わります。おそらく、小指の付け根より少し下あたりにくると思います。そうです、こここそ、親指の反対側なのです。


実際に、表面積を変えずに球に変形してみれば、確認することができるでしょう。

 
 
 

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