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双対数を行列化してみたら、ハイゼンベルクの不確定性原理っぽいのができた話

  • 執筆者の写真: S Y
    S Y
  • 2022年8月12日
  • 読了時間: 2分

0.参考文献


1.双対数の定義

双対数の定義は、二乗したら0になる、0ではない実数のことです。これは、工学の世界でよくみられる、二次以上の項について無視することと同様です。


2.双対数と同値の2*2行列は何か? {{0, k},{0, 0}}とすれば、これは零行列ではありませんし、かつ二乗すれば零行列になります。よって、k=1とすれば正規化することができますので、{{0, 1},{0, 0}}が双対数と同値の行列となります。


2.1 二重数との関係[3]

二重数とは、二乗して初めて目的の数となる、それ自身が目的の数とは異なる数のことです。例えば、二乗して1になるj、二乗して-1になるi、二乗して0になるεがあります。

実は、これらは2*2正方行列であることがわかります。しかも、次のように行列として以下のような関係式にあります。

ε+(t^)ε=j

ε-(t^)ε=i

ここに、(t^A)はAの転置行列です。


3.一般の正方行列については?[1]

2章で出てきたものをよく見ると、ジョルダン標準形となっていることに気づくので、J(0:2)と表すことにしましょう。これの類推により、一般にN乗したら初めて零行列となる行列が、J(0,N)であることがわかります。一般のN次正方行列がわかりました。


4.N次双対行列

次のように定義します。

J(0,N+1)=ε_(N)

こうすると、N乗して初めて零行列となる、零行列とは異なる数ができます。


4.1 N次単位行列との関係式

以下の関係にあることが容

易にわかります。

ε_(k+1)*(t^)ε_(k+1)+(t^)ε_(k+1)*ε_(k+1)-(t^)ε_(k)*ε_(k)=E_(k+1)


4.2 N次単位行列が、ハイゼンベルクの不確定性原理と類似した性質となる話

ハイゼンベルクの不確定性原理とは、位置を表す数qと運動量を表す量pについて、以下の関係式が成り立つ法則のことです。ここでhはプランク定数です。

qp=pq+ih/(2π)

ところで、虚数単位行列について、次のように拡張します。

すなわち、2*2の虚数単位行列に対して、零行列を加える直和を用いて表し、N次単位行列を作ります。

一方、同様にして零行列に対して、2*2の虚数単位行列を加える直和をi_nバーとして表します。

この時、次の式が成立します。

単位行列を用いて、次のように整理できます。

(t^)ε_(n)*ε_nは1*1のみ0である単位行列に、ε_n*(t^)ε_(n)はn*nのみ0である単位行列になります。よって、hバーについて次のように考えることができます。

ここで、-iを両辺にかけることが、両辺をiで割ることと同値となるので、行います。

ただし先ほどとは異なり、今回は零行列に対して、任意の位置に虚数行列を加えることにより作ります。

パターン1)*の列について

(1,1)を除くいずれか一つに-1が、それ以外は0により構成された行列になり得ます。


パターン2)**の列について

(n,n)を除くいずれか一つに-1が、それ以外は0により構成された行列になり得ます。


パターン3)

零行列になり得ます。






 
 
 

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