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x^2+2=y^3を満たす自然数の組(x,y)が(5,3)しかないことを、高校数学の範囲で示せるか。

  • 執筆者の写真: S Y
    S Y
  • 2021年9月24日
  • 読了時間: 2分

0.参考文献

[1]https://twitter.com/mathproblems314/status/1440831733541195785


1.合同式

高校数学の発展で合同式が紹介されることから、今回、これを使います。簡単におさらいすると、合同式とは、ある数で割ったあまりについての演算です。

例えば、5を「ある数」とした時、16=5*3+1ですから、16≡1(mod 5)となります。読み方は、「5を法として16は1と合同である」です。


2.場合分け

全ての自然数は、6を法として6種類に場合分けすることができます。

(1)-2 mod 6

(2)-1 mod 6

(3)0 mod 6

(4)1 mod 6

(5)2 mod 6

(6)3 mod 6


2.1 x≡±1 mod 6

x≡±1 mod 6はx=6k±1と置くことができます。左辺に代入すれば、

ある自然数yが存在して、以下の式を満たすとします。

この時、明らかに文字多項式の部分は9か、その立方数倍である必要があります。

9の場合

12k^2-4k+1=9

が妥当であり、k=1という解を得られます。この時、kからyがただ一つ求まり、xもただ一つ求まります。

(x, y)=(5 ,3)

一方、9の立方数倍であることを考えると、

4k(3k±1)=9t^3-1

右辺の因数分解が整数係数ではできないので不適となります。



2.2 x≡±2 mod 6

x≡±2 mod 6はx=6k±2と置くことができます。左辺に代入すれば、

ある自然数yが存在して、以下の式を満たすとします。

右辺を考えると、次の通りになります。

すなわち、文字多項式の部分が36であるか、36の立方数倍であれば良いことになります。

しかし、文字多項式は明らかに奇数。一方36やその立方数倍は明らかに偶数となります。

以上から、x=6k±2の形の解は存在しないことがわかりました。



2.3 x≡3 mod 6

x≡3 mod 6はx=6k-3とおくことができます。左辺に代入すれば、

ある自然数yが存在して、以下の式を満たすとします。

ここで文字多項式に注目します。

これは明らかに不適です。

これも不適ですね。

同様に、12,6,2は正数解なし、1,3の場合はy=1,2となりますが、その場合xの正数解がありません。

ちなみに、

以上から、x=6k-3の形の解は存在しないことがわかりました。


3.結論

問いの解は(x, y)=(5 ,3)以外に存在しないことを、高校数学の範囲(発展)にある、合同式を用いて示せました。




 
 
 

1 Comment


S Y
S Y
Sep 25, 2021

右辺の因数分解が整数係数ではできないので不適となります

この点が怪しいかも。

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