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ABC予想に対する考察

  • 執筆者の写真: S Y
    S Y
  • 2022年4月29日
  • 読了時間: 2分

0.参考文献



1.ABC予想とは?[1][2]

主張

互いに素な自然数(a,b)に対して

a+b=c

を与えた時、

d=rad(abc)

に対して任意の正数εが存在して

c>d^(1+ε)

を満たす組(a,b,c)は高々有限個しか存在しないだろう。


もっと簡潔に表すと、次のようになります。

(a+b)/rad(a+b)<rad(ab)

もし、根基を与える演算rad()の性質をこの関係式から説明するなら、次のようになります。

「掛け算に比べて足し算は、これを実行することで、素因数の情報が、種類と量のいずれも大きく欠落する。」


ここで種類とは、素因数の数のこと、量とは、素因数分解した時の各素数について指数の値のを意味しています。


2.ABC予想の型

2.1 弱いABC予想

εが十分小さいものです。この時、

c>d^(1+ε)

を満たす組(a,b,c)は「高々有限個」しか存在しないだろうとされます。


2.2 強いABC予想

ε>=1としたものです。この時、

c>d^(1+ε)

を満たす組(a,b,c)は一つも存在しないだろうとされています。


3.証明者

ABC予想において2種類存在することを確認しました。そしてこの2つを証明したのが、京大の望月新一博士です。


4. 双対数を用いた考察

4.1 双対数の数式

以前の記事で、双対数について

exp(ε)=1+ε

であることを示しました。(実際、テイラー展開や微分の定義式から容易に解ります。)

ここでεは2乗すれば0とみなせる程度に十分小さい数としています。


4.2 弱いABC予想の双対数を用いた表現

予想によれば、これを満たすのは「高々有限個」しかないようです。

4.3 強いABC予想の双対数を用いた表現

予想によれば、これを満たすのは存在しない(m>=3)そうです。

また、ぎりぎり存在しそうなのが、m=2の場合です。

そして、m=1の時、ありえるだろうと考えられます。


4.4 弱いABC予想と強いABC予想が同時に成り立つ/ 一方のみ成り立つ/ いずれも成り立たない条件(m=1とする)

(1)同時に成り立たない

次の連立方程式を考えられます。

これは、一般に無数に存在することが知られています。


(2)弱いABC予想のみが成り立たない場合(高々有限個、に含まれる組(a,b,c)に対して。)

次の連立方程式を考えられます。

これは、ε>0に矛盾します。


(3)強いABC予想のみが成り立たない場合

次の連立方程式を考えられます。

(4)いずれも成り立つ場合

4.5 考察

4.4(2)について、m=1を考えていたので、明らかに矛盾が生じます。他の結果は、ちゃんと弱いABC予想が強いABC予想に含まれていることを確認できました。


5.まとめ

双対数を用いてABC予想を考察することができました。





 
 
 

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