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1変数複素関数の合成関数とみなせる、多変数複素関数の零点と特異点は、1変数複素関数の零点と特異点からわかるか?

  • 執筆者の写真: S Y
    S Y
  • 2022年5月20日
  • 読了時間: 2分

1.零点と特異点で関数を表す

次の2つの関数を考えます。零点と特異点の座標の情報だけで関数を表しました。ですから、次数や係数に依存して形状が若干変わる場合は全て同種と捉えることにします。

2.多変数複素関数h

次のような定数を考えます。

これを用いて、多変数複素関数hを次のように定めます。

2.1 hの零点

自明な零点は、以下の通りです。

これ以外の零点が存在すると仮定して、これを(z_1=z_2=)z_3とすると、


両辺をz_3で微分すれば、次のようになります。

これを整理すれば、次の式を得ます。

実際は微分しているので、これを積分で戻そうとすれば不定定数を得ます。特に不定定数が1と等しい時だけ、本来の式を満たすことになります。


すなわち、計算で容易に得やすい微分方程式を解いて、この解が0=1+b/...の式の解であることを検算することで、零点になるかを判定することができるのです。


2.2 例題

以下の関数を考え、合成します。

合成結果↓

自明な零点は、0≠2より存在しません。

一方、非自明な零点z_3が存在すると仮定します。すると、候補は次の式を成り立たせます。

実際に左辺と右辺をグラフにプロットし、共有点を調べます。次に、0=1+b/...のプロット結果を比較し、零点となっているかを調べたところ、なっていないことがわかりました。

以上から、非自明な零点も存在しないことがわかります。


予想:微分で得た零点の候補は、元の関数では零点としての振る舞いを見せないだろう。つまり、合成関数の零点は、元の関数の零点による共通集合の場合しか存在しないだろう。


2.3 hの特異点

1/f(z_3)≠0, 1/g(z_3)≠0, 1/h(z_3, z_3)=0を満たす時、z_3はhの非自明な特異点となります。では、このようなz_3は存在するのでしょうか?

仮定より、次のようになります。

すなわち、

これを整理して、

つまり、非自明な特異点は存在しないことがわかります。


 
 
 

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